***『アンディとらいおん』*『ハーモニカのめいじんレンティル』*『ヒラリーとライオン』
平成15年2月6日のニュースで、推定年齢25歳(人間でいえば70-80歳)くらいのおじいさんライオンが、動物園の堀に落ち、自力で上がれずにいたところを、救出されたという記事を見たのですが、無事助かってよかったですね! ということで、この絵本。
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『アンディと らいおん』 ジェームズ・ ドーハーティ ぶん・え むらおかはなこ やく 福音館書店
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お話は、図書館でライオンの絵本を借りて、夜眠るまでよんでいたアンディが、朝学校へ行く途中、なんとそのライオンに岩陰で出会ってびっくり! 「逃げるが勝ち」と、思った両者は岩の周りをぐるりと走ってかち合います。 ところが、ライオンの前足には、痛そうなとげが刺さっていたのでした・・・。
2色刷りのシンプルで力強いイラストに、歯切れの良い弾むようなテキストで、物語は丁寧にとんとんすすみます。 ページをめくるのももどかしいような、巧みな構成が見事で、ちょっとこわいような、迫力あるライオンのイラストに、怖がりだけど怖いもの見たさの3姉妹も大満足! 絵本から、ライオンがまきおこすつむじ風や、土ぼこりが舞い上がってきそうな躍動感あふれる古典的傑作です。
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この絵本、なんと、ISBN:4-8340-0003-6 とあります。つまり、福音館書店さんで発行になった絵本の3番目? もしくは、ISBN番号になってから、番号を割り当てられた3番目の絵本、ということになるのでしょうか? (ちなみに、福音館書店さんの2番目の絵本? ISBN:4-8340-0002-8は、 『100まんびきのねこ』。4番目の絵本ISBN:4-8340-0004-4は、『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』です。うーん、そうそうたる面々ですね!) 邦訳初版は1961年とありますので、かなり初期の絵本であることはまちがいなさそうですね。そして現在も愛され読み継がれているロングセラー!
原書は『ANDY AND THE LION』(THE VIKING.PRESS,INC.,1938)と、あります。アマゾン洋書では、(Puffin)。
作者のジェームズ・ドーハーティさんは1889年アメリカ生まれの挿絵画家で、現代アメリカでもっともアメリカ的なイラストをお描きになる一人だそう。アマゾンで洋書を検索した結果は こちら。
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この絵本『アンディとらいおん』を読むと、ロバート・マックロスキーさんの自伝的物語にしてデビュー作の、『ハーモニカのめいじんレンティル』(国土社) を、思い出してしまうのは、同じアメリカの古典的絵本作家のロバート・マックロスキーさんのイラストと、ジェームズ・ドーハーティさんのイラストが、どことなく似ているからでしょうか。 どちらも、元気よくのびやかなイラストと、読後のすがすがしさが絶品ですので、図書館などでぜひお読みになってくださいね!
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『ハーモニカのめいじん レンティル』 ロバート・ マックロスキー作 まさきるりこ訳 国土社 2000年
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レンティルはうまく口をすぼめることができないばかりに、歌が下手、口笛もできない男の子。けれどハーモニカの名人になろうと一生懸命励みます。おかげでみんなはレンティルのハーモニカが大好きに。 そんなある日、町いちばんの有名人、カーター大佐がお帰りになるというニュースが町中をかけめぐります。 しかし、たった一人、そのことをよく思っていないにがむしじいさんがいました・・・。 のびのびとした力強いイラストとテキストの、ロバート・マックロスキーさんの頼もしい古典絵本。 どこかにくめないにがむしじいさんの仕掛けたワナがなんともいいお味(?) 余談ですが日本の絵本だったら梅干なのかしら?(笑)。 華やかなパレードが本当にぴったりの、すがすがしい青空のような絵本。原書『LENTIL』の初版は1940年。
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それから、『アンディとらいおん』にも登場する、図書館を守る石像のライオンたちが、迷子の少女とくりひろげる、映画を見ているようなファンタジー絵本はこちら。
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『ヒラリーと ライオン』 フランク・ ディサイクス文 デビー・デューランド・ ディサイクス絵 たかはし けいすけ訳 セーラー出版 1992年
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迷子の少女ヒラリーと、図書館を守る石のライオンたちの、秘密の夜の冒険と友情を描いた、いきいきとのびやかな物語。 映画の幻燈会のような、やわらかい闇にほの浮かぶ、リアルでファンタジックなイラストが印象的。
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