■アナ・マルティン・ララニャガさんの絵本 |
Ana Martin Larranaga スペインの田舎町カスティリャに生まれる。サラマンカ大学で美術の勉強をし、卒業後イギリスに渡る。「woo!」は、英語で書かれた初めての絵本。 (『おばけのウー』表紙カバー見返し著者紹介欄より)
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『おばけのウー』*洋書*邦訳絵本 |
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『おばけのウー』
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アナ・マルティン・ララニャガ作 森山京訳 小学館 2000年12月
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ウーはかわいいおばけのこ。でもパパやママが、ああしろこうしろって、あんまりうるさいので、とうとう家出することに決めました。 おばけの家出は、よいこのおばけたちがそろそろ寝静まる夜明け前。
ウーはだれかに出会うたび「おばけだぞ!」とおどかしますが、だれもこわがってくれません。 それどころか、犬にほえられてしまって・・・。
からりと明るく、とびきり可愛い、おばけのウーの物語。こんなおばけなら、ちびっこたちも大歓迎!
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なんとも心弾み胸躍るような、カラフルで楽しい表紙! 「可愛い!」と、思わず踊りだしてしまいそう。 単純明快で、バランスのとれ角の取れたまあるいフォルム、きれいではっきりした色使い・・・見ていて心地よい安定感があって、そのまま何かのマスコットや、おもちゃや雑貨のキャラクター商品にもなってしまいそう。
おばけのウーは、ぷりぷりおこっています。 おとなたちがああしろこうしろって うるさくいいますのでね。
ウー、はをみがきなさい。 ウー、しゅくだいすんだ? ・・・。
読みながら、幼児なりに苦笑いしたり、兄弟がいたりしたら顔を見合わせて目配せしたりする光景が、あちこちで見られそうですね。あるいは、棚上げ・したり顔で「はみがきはしなくちゃねー」なんて、納得・言い聞かせしたり(笑)。
「ああ、いやだ、いやだ」 ウーは、とうとういえでをすることにきめました。 ・・・。
おばけは夜起きて、朝眠りますので、そろそろおやすみの夜明け前に、ウーはこっそりベッドをぬけだし、荷物をまとめて(またこれ古風な感じもする、棒の先に風呂敷包みをぶら下げたような荷物なのですよ、表紙のイラストをごらんになってくださいね)、窓の外へと繰り出します。
ウーは、だれかにであうたび、「おばけだぞ!」とおどかしますが、 みんなおもしろがるばかりで、ちっともこわがってくれません。
子どもたちはこわいおばけのお話も大好きですが、こわくないおばけのお話も同じくらい大好きですよね! しかもウーは、子どもたちの中の「お化け」のイメージそのものをとことん愛らしくしつらえた感じ、子どもたちの「お化けごっこ」の際にはシーツや毛布、バスタオルなどでその格好をきゃっきゃとしそうな定番スタイル。 可愛い見た目どおりこわくない、おばけのウーのおとぼけ大冒険のはじまりですが・・・。
そのうちにあたりがだんだんあかるくなり、おばけのかくれるくらやみがすっかりきえてしまいました。 「おばけのこは、ひるまひとりでであるいてはいけませんよ」って、いつもいわれていたのにね。
さあ、大変です。 そのとき通りがかりの家の犬が、ウーを見つけて「わんわん」ほえながらおいかけてきて、 「ひゃあ、こわいよう!」 逆におどかされ、しらないその家に逃げ込みます。するとその家のおばさんが出てきて・・・。
ちょっぴり愉快でおきのどくでお騒がせでほのぼのする、にぎやかなウーの物語。 明るく楽しくノリがよく、弾むように踊るように進みます。 表紙からして、幼児にもはっきりととらえやすいシンプルな色形ですが、中身もくっきり、主人公のウーや登場人物たち、ポイントになる家やドアなどには黒いアウトラインを用い、部分的に切り絵やちぎり絵、プリント模様の布地のコラージュをちりばめた、境界の明快なカラフルなイラストで、見ていてとても心地よい感じ! 「英語のはじめての絵本」とありますが、自由でありながら安定感のあるレイアウトや洒落た色使いなど、かなり完成度が高くて、手馴れている感じがします。
原書は『Woo!』Hodder and Children's books,a diviion of Hodder Headline,2000、とあります。原書出版と同じ年に邦訳も出版されたのですね。 アマゾン洋書ではこちらなど。↓
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『Woo!: The Not So Scary Ghost』
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Arthur a Levine 2000
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ところで、作者のMartin Larranaga, Ana (アナ・マルティン・ララニャガ)さんの洋書をアマゾン洋書でしてみたら、ポップでカラフルな絵本たちが100件以上ヒットしてびっくり!
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『The Big Wide- mouthed Frog』 Walker Books Ltd |
『If You See a Cow (If You See S.)』 Treehouse Children's Books Ltd |
『Who Said Boo?: A Lift-the-flap Book』 Simon & Schuster Merchandise |
やはりかなりの人気作家で、ボードブック仕掛け絵本シリーズなどなどが豊富、もしかすると、キャラクター商品、シリーズ商品なども本当にあるのかもしれないですね。
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邦訳でも、幼児向け仕掛けボードブック絵本(主婦の友社)で、
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『かわいいこいぬの かくれんぼ』 |
『ちいさいひよこの いないいないばあ』 |
『もーもーぶうぶう なぎごえなあに?』 |
などなどがご紹介されているようですので、続いての邦訳が楽しみ。
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