■赤川明さんの絵本
1960年東京生まれ。絵本創作グループ「絵本探検隊」隊長。著書に『かめさんバス』、『わたしはおにぎり』、『おじさんとみち』、『おじいさんとにじ』、『おじいさんともりのおばけ』(以上チャイルド本社)、『たこのにわ』、『かげやまさん』(以上鈴木出版)、『かめきょうそう』(ひかりのくに)、『アイスクリームがとけちゃった』、『くもがふってきた』(ポプラ社)などがある。
『おじいさんとうみ』*『たこしんごう』*『はあ〜あ・・・』*『ラーメンのかわ』

 

『おじいさんとうみ』ひさかたチャイルド

『おじいさんとうみ』
作・絵 赤川明
ひさかたチャイルド
2006年

みずたまりじゃないぞ、うみだ〜!
うみの叫びが聞こえますか?
うみをみずたまりだと思い込んでしまったおじいさんと、憤るうみの親子の、スケールのでっかいナンセンス絵本。

楽天ブックス

うまれてはじめてうみをみたおじいさんはいいました。
「よのなかにこんなおおきなみずたまりがあるなんて、しらなかったのぅ〜!」
おじいさんにみずたまりだと勘違いされたうみは、なんとか自分をうみだとみとめてもらいたくて・・・。

ええっ、海が、そんな行動をおこすなんて!?
うみをみずたまりだと思い込むあまり、うみ自身からの度々の申告も、訂正要求にも耳をかさず、うみからの可愛い使者のメッセージを半分取り違えた結果、独自の理論を極めてしまった、つわもののおじいさんとうみの、ナンセンスでスケールのでっかい絵本。
ピンクのさし色の効いた、明るくて華やかでユーモラスな絵が、独自のとぼけた世界に連れて行ってくれます。
とにかくかたくなで、勘違いもはなはだしいおじいさんですが、場合によっては、新しい知識を受け入れたり、試してみたりすることもあるから、さらに話がややこしくなって、読み手はやんやの大喜びなのですよね。
独りよがりだけでなく、時に歩み寄りも見せつつ、最後までわが道をつらぬいたおじいさん、あなたはエライ!
このでっかい波にのまれたら、次々と、赤川明さんの絵本が読んでみたくなりますよ!

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『たこしんごう』ひかりのくに 品切れ

『たこしんごう』
作/絵 赤川明
ひかりのくに
おはなしひかりのくに
1999年7月号
品切れ

たこのじいちゃんとまごがさんぽ。魚のむれに出会いました。
むこうに渡りたいのですが、いくらまっても、とぎれなくて・・・。

じいちゃんとまごののんびりコンビの、のどかでまさかのお散歩絵本。

たこのじいちゃんとまごがさんぽです。
「じいちゃんとさんぽ!じいちゃんとさんぽ!」
「まーごとさんぽ!まーごとさんぽ!」
すこしいくと、さかなのむれにであいました。
むれはいくらまってもとぎれません。
「これじゃとおれないよ。こまったねえ、じいちゃん。」
大声で、「わたりまあーす!」といっても、手を上げても、むれはいっこうにとまる気配がなくて・・・
・・・

たこのじいちゃんとまごの楽しいさんぽを描いたナンセンス絵本。
長い長い踏み切りや、押しボタン信号を待つあのときの気持ち、横断歩道のない道路をわたるために車のとぎれるのをひたすら待つあの気持ちを知っている人なら、いたくてかゆいほどよくわかります。
しかしとぎれを知らないむれの魚はひたすらギョロ目で、口元は真一文字。無表情で、連続点在するそっくりな姿が、包装紙や壁紙みたいで笑えます。
肩から力が抜けていくような、じいちゃんとまごののどかな表情もいいなあ。くにゃくにゃ頼りないかと思ったら、ここ一番でぴしっときめてくれる、頼もしいたこさんに拍手喝さい。
二人の行く手をさえぎるものは、なーんにもない!ですよね。
おじいちゃんとまごのゆるぎない交流が温かい、ナンセンス絵本。

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『はあ〜あ・・・』らくだ出版

『はあ〜あ・・・』
赤川明/作・絵
らくだ出版
2000年

つるつるすべる山に上ろうと、何度もしゃかしゃか頑張るこぶたくん。
でもどうしても、
「はあ〜あ・・・」
すべりおちてしまって・・・。

こぶたくんの緊張と脱力の繰り返しがくせになりそうな、楽しいナンセンスメルヘン絵本。絵本の山場と、こぶたくんの中の山場が、絶妙にずれているところが、愉快痛快、「はあ〜あ・・・」

楽天ブックス

こぶたくん、やまのぼりにやってきました。
「よし、このやまをのぼろう!」
な〜んだかつるつるしてるやまです。
「えい!えい!えい!」

「はあ〜あ・・・」
ちょっときをぬいたらすべってしまいました。
またやりなおしです。
しゃかしゃかしゃか!

「はあ〜あ・・・」
ちょっときをぬくたびに、すべりおち、またしゃかしゃかのぼっては、すべりおちて・・・

赤と黒の2色で、ゆれるため息のように描かれた、大胆でのどかなナンセンス絵本。
頑張っても、頑張っても、頑張っても、ずるずると、落っこちてしまうことって、ありますよね・・・。
あともうひと頑張りが足りないのか、ふと気をゆるめてしまうのがいけないのか、そもそも最初の目標が高すぎるのか、いろいろと、自分の中で見極めをつけて、折り合いをつけて、どの箇所で納得するかは、かなり難しい問題でもあります。
しかし、視野は広く持ちたいもの。世の中結果だけじゃない!参加することも大切、挑戦することも大切、努力することも大切、結果までの道のりだって大切にしたいですよね!

さて、つるつるとよくすべる山にどうにか登りつめようと、何度もわるあがき、じゃなかった、果敢に試みを繰り返したこぶたくん。彼の達した境地が、実に抱腹絶倒です。いえ、空腹絶倒(?)なのかしら。
視野を広げると、この山にそんな秘密が隠されていたなんて、その大らかなメルヘンには感服してしまいますが、とりあえず満腹になるのを待ってから、こぶたくんに耳打ちしてみるのがいいかな?

「はあ〜あ・・・」のたびに、子どもたちまで脱力して、あっけらかんと笑える絵本。

同じらくだ出版から出ている、『さかさまじん楽天ブックスは、黒と青の2色の絵本です。サカサマって、何だろう、どこを視点に考えたら、だれがサカサマなのかしら?と、思ったらぜひ。

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『ラーメンのかわ』講談社

『ラーメンのかわ』
作・絵/赤川明
講談社
2004年

このかわ、かわはかわでも、ラーメンのかわ。こってりかぐわしいラーメンが、なみなみと熱く流れる川なのです。
信じられる?

あっけらかんとしたナンセンスのでっかさが、とっても爽快な舌鼓絵本。おかわりしたくなるかもね!

このかわ、かわはかわでも・・・

ラーメンのかわなのです。

ちょっとたべてみると・・・
これがうまい!

・・・

ラーメンの川を男の子が船でくだっていく、とってもおなかのすく絵本。
ラーメンちっくに波打つ黄色い川、というのも、なかなか熱い迫力があります。ほかほか湯気や、においまでたちこめてきそう。
メンマやねぎももちろんどんぶらこ、スープの味もよりどりみどり。ふつうの川と同じく、魚もあちこち泳いでいるから、これがまた特別なだしになったりして(?)。
よく考えてみると、ラーメンの川でなくても、川の水で泳ぎ、遊び、暮らし、その川の水を飲み、食べる・・・というのは、ごく当たり前のことだったりするのですよね。ふとそんな風に考えると、そうめん流しもびっくりのラーメンの川、というでっかいナンセンス絵本が、ますます奥深い味わいになるかも。

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